【東京編】チャンピオン日記!1日18時間の受験勉強!?

僕はキックボクシングを始める前、資格の学校に通っていた。大学と並行して資格の勉強をしていたのだ。いわゆるダブルスクールというやつだ。僕が大学生の頃は就職氷河期の真っただ中で、大学を卒業しただけでは就職できないと言われていた。実際、僕の同級生たちが就職活動をしていた時は、50社受けて1社内定がもらえるかどうかという状況だった。

そこで僕は何か専門の知識を身に付けたいと思い、資格の勉強をすることにしたのだ。大学の生協に行けば、資格の学校のパンフレットが無数に置いてあった。ある日、それを手に取って何の資格を受験するか思案していた。どの資格も難関な上、一次試験や二次試験などがあり、1回の試験では終わらないようなものばかりだった。僕は一発で終わる試験を探して、パンフレットをパラパラとめくっていった。すると社会保険労務士という資格があったのだ。この資格は、1回の試験で資格を取得することができるので「これならイケる!」と思ったのだ。

早速、僕は資格の学校で申し込みを済ませて勉強をスタートさせた。試験までは1年弱あったので、少し余裕をもって勉強を始めたつもりだった。最初は適度に勉強して、休みの日には友達と遊んだり、お酒を飲みに行ったりもしていた。大学へ行きながら、アルバイトもしていたが、1日4~5時間は資格の勉強のための時間が取れたし、休みの日には8時間ぐらい勉強ができていた。しかし、キックボクシングを始めたことで、そうはいかなくなった。前にも話したように、僕はキックボクシングを始めてから、最低1日8時間はその練習に時間を費やしていた。どんなに頑張っても、とにかく時間が足りないのだ。だから資格試験の勉強時間はどんどん減り、1日1時間や2時間になっていった。

僕は資格の勉強をやめて、キックボクシングに専念しようと何度も考えたが、諦める決心がなかなかつかない。「一旦、自分で決めて始めたことを途中で投げ出すなんて…」今、資格の勉強をやめたら後で後悔しそうだった。このままではどちらも中途半端になると思った僕は、半年だけキックボクシングを中断することに決めたのだ。「さっさと試験に合格すれば、後は死ぬほどキックボクシングの練習ができる!」僕は何度も自分に言い聞かせた。最初は週1,2回だけでもキックボクシングのトレーニングをと思ったが、二つの事を同時にできるほど(どちらも全力で120%の力で取り組むことができるほど)僕は器用でなかった。泣く泣くこれまで積み重ねてきたキックボクシングのトレーニングを一旦諦めて、試験勉強をすることにした。

残り半年、今回の試験で受からなかったら「キックボクシングを休んだ期間が全て無駄になる!」「絶対に落ちることはできない!」そう考えた僕は、覚悟を決めて勉強することにしたのだ。僕はある雑誌で公認会計士の資格に合格した人の合格体験記を読んだ。「一日18時間勉強した」「虫のような生活だった」など生活の全てを資格合格のために費やしていた人の話だ。僕は「他の人でこれだけ勉強できる人がいるのなら、自分にも必ずできるはず!」そう思って、試験までの残り半年間は一日18時間勉強することにしたのだった…。

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