【東京編】チャンピオン日記!1日18時間の受験勉強!?(続き2)

早稲田大学の大教室。ここに適度な間隔が空けられ数百人が座っている。しかし、その教室は静まり返っていた…。そう、これから社会保険労務士試験が開始されるのだ。

この時、僕は至って平常心で席に着いた。なぜなら、これ以上ないほど本試験のための準備をしてきたからだ。「自分と同じぐらい勉強してきた人はいても、自分より勉強してきた人はいない」僕はそう分かっていた。僕よりも勉強しようとすると、全く寝ないで食事もとらず勉強するしかない。そんなことは到底無理なのだ。それに僕はキックボクシングの練習の時と同じく、常に120%の力で机に向かっていた。1秒も時間を無駄にしたくない、この瞬間を全力で!という気持ちで必死に勉強していたのだ。だから、もし自分がこの試験に合格できないというようなことがあれば、他の人も合格できないだろうと思っていた。

社会保険労務士の試験は午前と午後に分かれている。午前は選択式の試験で80分。午後からは択一式の試験で210分。午前10時、試験官の試験についての説明が始まった。そして午前10時半、一斉に試験が開始されたのだ。

スタートと同時に受験者の問題用紙を開く音が教室内に響いた。だが僕は、すぐには問題用紙を開かず、一呼吸置いてゆっくりとめくった。緊張していたから一呼吸置いたのではなく、気持ちに余裕があったのだ。問題文を読み始めても、その余裕は変わらなかった。資格の学校で過去問を解いていた時と同じように、選択肢を見なくとも問題文を読むと、その答えが次々頭の中に出たきたのだ。僕は午前の選択式の問題を一問も迷うことなく、わずか30分ほどで解き終えてしまった。しかし念のため、もう一度全部問題を解き直すことにした。そして今度は25分ほどで全部解き終えた。1回目に解いた答えと全く同だった。僕は鉛筆を置き問題用紙を閉じた後、辺りを見回した。まだ誰も席を立っておらず、みんな必死に問題を解いている。時間は残り20分ほどだったので、僕も席を立たずに終了の時間を待った。こうして午前の試験が終わった。

昼休みは1時間。僕は朝コンビニで買ったパンとジュースを大学の中庭のベンチに腰掛けて食べた。この時、午後の試験に備えて本を読んだり、問題集を見返したりすることはなかった。10分ほどで昼食を終えた後、早稲田大学の構内を散策した。半年間毎日、朝から晩まで勉強ばかりしていたので、気晴らしをする時間すらなかったのだ。そして午後12時45分ぐらいに教室へ戻った。これから午後の試験が始まるのだが、僕の気持ちはワクワクしていた。なぜなら、この試験が終われば、これから毎日キックボクシングのできる時間がやってくるからだ。

午後1時20分、択一式の試験が開始された。択一式は1つの問題に対して選択肢が5つあり、正解と思うものを1つ選ぶ。だがその選択肢1つ1つがかなりの長文で、210分の時間があっても読み返していると、すぐに時間が足りなくなる。初めて問題を解いた時は、全問を解くのに210分の2倍、3倍以上の時間がかかっていた。

しかし、この時は選択肢の文を7割ほど読むと、それが正しいかどうか分かるようになっていた。AからEまで5つある選択肢を上から順に読んでいくのだが、Aの選択肢を7割読んだ時点でそれが正解だと思えば、残りのBからEまでの選択肢は読まず、次の問題へ移った。選択肢にさっと目を通すと、手に取るように答えが分かったのだ。僕はクイズの早押しのように次々と問題に答え、1時間半ほどで全問解き終えた。そして午前の試験の時とは違って、問題や答えを見返すことなく、教室を出ていった。

キックボクシングのトレーニングが僕を待っている。一刻も早く体を動かしたい!そう、一分一秒でもキックボクシングのできる時間を無駄にしたくなかったのだ。

僕はカバンを小脇に抱えてロードワークのつもりで早速、早稲田大学から自宅のあった水道橋まで走って帰ったのだった。

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